遺品整理の悪質業者を見分けるポイント2:電話応対時の言葉遣いはしっかりしているか?

前回のコラムでは「遺品整理業における悪質な業者を見分ける10のポイント」の1つ目、「遺品整理業者のホームページはあるか?」について取り上げました。

「遺品整理業における悪質な業者を見分ける10のポイント」とは、週刊ダイヤモンド2020年1月18号に掲載されたもので、遺品整理士認定協会が作成したものです。

  1. 遺品整理業者のホームページはあるか?
  2. 電話応対時の言葉遣いはしっかりしているか?
  3. 廃棄物の処理方法を説明できるか?
  4. 一般廃棄物収集運搬業の許可は下りているか?
  5. 料金体系は明確であり、わかりやすいか?
  6. 訪問による見積もりが行われるか?電話だけで済まされないか?
  7. 見積書について、詳細な説明があるか?
  8. 無料回収、買い取りを強調して値段が安いことを言っていないか?
  9. 万が一のための損害賠償保険に加入しているか?
  10. 領収書の発行は可能か?

 

今回は10のポイントのうち、2の電話応対時の言葉遣いはしっかりしているか?」について補足します。

電話応対のイメージ

言葉には姿勢が現れる

なぜ電話応対時の言葉遣いが大切か。それは「言葉遣いにはお客様の気持ちに寄り添う姿勢が現れるから」です。

悪質な業者の中には、そもそも「ご遺族の気持ちに寄り添おう」という気持ちが希薄な場合も少なくありません。ビジネス志向に傾倒し、お客様の気持ちよりも仕事としての業務を優先してしまうことさえあります。

しかしそもそも遺品とは、ご遺族の大切な人がこの世に遺した形見でもあるわけです。そのため遺品整理においてはご遺族はもちろん、遺品に対しても敬意を払って応対することが求められます。そしてその敬意は言葉となってご遺族に伝わることになります。

これから遺品整理という大きなハードルが待っている。それに対してご遺族に寄り添い、一緒に遺品だけでなく心の整理をしていく上で、何より姿勢と言葉遣いは大切な一面であると考えます。

お客様にとってこれからどんな配慮やサービスが必要か、聞くべき内容が事前にはっきりしている

電話応対時の言葉遣いがしっかりしていない場合に考えられるのは「遺品整理に必要なワークフロー(流れ)が確立していない」ことです。

これから何が必要でそのために何を準備する必要があるか、誰が何を担当し、どういった段取りで進めていく必要があるのか。こうしたワークフローがきちんとしていない業者は段取りが悪く、それはつまりサービスの質にも現れます。

逆にワークフローがきちんと整備されていれば、相談者からの多様な質問にもしっかり応えることができます。質問に応えられるということは相応の準備と経験、実績の積み重ねがあるしっかりした業者と言えます。

ただし悪質な業者の中には、言葉のレトリック(言葉巧みな表現)が並外れているケースもあります。単に口が上手いかそうでないかの判断は難しいかもしれません。その場合には複数の業者に見積もりを取るなどして、選択肢を増やしておくことも有効です。

丁寧な言葉遣いはトラブルの原因になることがないよう気を配っている証

電話応対では、遺品整理業者から相談者へ細かいヒアリングを行う場合がありますこれはできるだけ正確な見積もりを取るために必要な仕事であり、あとで予期せぬ追加作業や費用が発生しないようにするためでもあります。

つまり、電話で見積もりに必要な項目を丁寧かつ的確に説明できることも、業者にとっては必要な技術と言えます。これがきちんとできていない(細かい確認を省いて先に費用の相談を優先するなどの)電話応対は、逆に気をつけた方がよい印とも言えます。

そもそも言葉遣いは遺品整理に限らず、どんな仕事でも当てはまる社会人としての大切なマナーです。仕事における基本的なことを見落とさず業務に励むためにも、言葉遣いには常に気を配っておきたいものですね。