遺品整理コラム

認知症の進行前に知っておくべき生前整理の方法と目的

認知症のシニアのイメージイラスト

認知症のシニアのイメージイラスト

認知症とは、脳の機能の低下により、記憶力や判断力が衰え、日常生活に支障をきたす病気です。

高齢者の増加とともに認知症患者も増加しており、社会的な問題となっています。認知症になると、財産管理なども困難になるため、生前整理が重要となります。

認知症の理解

認知症は、多岐にわたる症状を示します。その主な症状と種類を以下に示します。

症状

  • 記憶障害: 一番初めに現れることが多く、新しい情報の記憶が難しくなります。
  • 認知障害: 物の名前が出てこない、日付や時間の感覚が失われるなどの症状があります。
  • 判断力の低下: 日常の判断が難しくなり、料理などの日常的な作業が困難になることがあります。

種類

  • アルツハイマー型認知症: 認知症の中で最も多いタイプで、約60-70%を占めます。
  • レビー小体型認知症: 記憶障害だけでなく、幻覚や幻聴が現れることがあります。
  • 前頭側頭型認知症: 人格や行動に変化が現れることが特徴です。

 

生前整理の重要性と方法

認知症の進行に伴い、自身の財産を適切に管理できなくなる恐れがあるため、生前整理が推奨されます。

生前整理の目的

  • 財産の整理: 自分が亡くなった後に残す財産を整理し、後のトラブルを防ぎます。
  • 遺言の作成: 財産の分配についての明確な意志を残すため、遺言書の作成が行われます。
  • 感情の整理: 自分の死後にどうなってほしいか、どう思っているかを家族と共有します。これにより、家族間のコミュニケーションが深まります。

 

生前整理の方法

生前整理を行う際の具体的な方法は以下の通りです。

  1. 計画の立案: 生前整理の対象となる財産や、整理の進め方、タイムラインなどの計画を立てます。
  2. 家族との協力: 家族や親族と協力し、理解を深めます。意見が対立する場合もあるため、コミュニケーションを密に取ります。
  3. 専門家の協力: 法律や税務などの専門的な知識が必要な場合、弁護士や税理士などの専門家に相談します。
  4. 実行: 計画に基づき、実際に財産の整理や遺言書の作成などを行います。
  5. 感情の共有: 最終的な整理が終わった後、家族と共に振り返り、感情の整理や共有を行います。

まとめ

認知症は、高齢化が進む中で増加している重要な問題であり、自身や家族の未来を考え、早めの対策が求められます。

生前整理は、自分の意志を明確にし、未来のトラブルを防ぐための重要なステップです。適切な計画と家族、専門家との連携により、スムーズに進めることが可能です。

自分と家族の未来をより良くするために、認知症の理解と生前整理の実践を検討することが重要です。

2023.08.22

青森の春に残された記憶:ある遺品整理の記録

遺品整理前のお部屋

遺品整理前のお部屋

令和5年の四月、春の息吹を感じさせる温かな風が街を包む中、我々は青森県某市の市営住宅で遺品整理の重大な任務に取り組みました。

ある住居で、時の流れと共に息を引き取られた方がいました。人生の最期を迎える場所は、静寂に包まれたこの写真1枚目に写るお部屋でした。そこには深い静寂が広がり、ゴミがあふれる光景が目の前に広がりました。その光景は一人で最期を迎えた方の深い寂しさを象徴するもので、我々はその光景から目を背けることはできませんでした。

依頼をしてくれたのは、関西方面に住んでいる方のお亡くなりになった方の姪さんでした。彼女から預かった任務は、とても繊細で深い敬意を必要とするものでした。

作業はまず最初に、依頼主から探してほしいとされた物(通帳や印鑑、貴重品等)や、保管すべき物(写真や書類等)の存在を確認する作業から始めました。その後は、可燃・不燃・粗大ごみ、資源ごみなどに分別整理し、それぞれを適切に搬出して処分する作業に取り掛かりました。そして最後に、部屋全体の清掃と消臭作業を行い、部屋を清潔で新たな生活が始められる状態にまで戻しました。

近年、核家族化が進行し、ご老人の孤独死が増えていることを、私たちは肌で感じています。それぞれの家庭の事情があり、それぞれの理由がある中で、誰かが必ずやらなければならない、これらの整理作業。私たち組合は、その任務を真心こめて、一つ一つ丁寧に行っています。

生涯を終えた方々の人生の痕跡、記憶、価値を大切にしながら、私たちは遺品整理を通じて、人生の尊さと刹那性を改めて認識します。それぞれの部屋から発見される品々は、その人が歩んできた道のりを静かに物語っています。これらの作業を通じて、私たちは人間の生の尊厳を深く感じ、その一部を引き継いでいく重大な使命感を抱いています。

2023.06.07

年度末に遺品整理をおすすめする理由

遺品整理中のイメージ

「遺品を整理しなければいけないけど、何も手を付けられないままズルズルと今年度も終わりそう…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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2023.02.14

自分で食事をとるのが難しくなった時に備えるためのエンディングノート活用方法

高齢者に食事の介助をする介護士

エンディングノートというと「自らが亡くなった時に備えて用意しておくもの」と考える方が多いと思います。

しかしエンディングノートに書き記した内容は意外にも、生前の自分を助けてくれることもあります。… 続きを読む

2022.12.27

最後の社会貢献「遺贈寄付」

ハートを手渡すイメージ

終活ではさまざまな悩みごとが起こります。その中でも遺産に関することは、お金が関係するということもあり、遺される家族に対しても配慮をする必要があるなど大きな課題と言えます。

そんななか、最近注目され始めているのが「遺贈寄付」です。

… 続きを読む

2022.10.24

無料で使えるエンディングノートアプリ「わが家ノート」

マスクをつけてスマートフォンを見る日本人シニア男性と娘

「遺しておきたいけど書く手間が億劫」「紙に書くのだと内容を書き換えるのが難しい」など、エンディングノートに関する悩みはさまざま。

将来、家族や親戚に迷惑をかけないためにもきちんと遺しておきたいという一方で、上のような理由からエンディングノートをなかなか書き進められないという方も多いのではと思います。

そんな方でもスマートフォンやタブレットを活用することで、すきま時間に少しずつ書き進められるエンディングノートもあります。

アプリでエンディングノートを作る

わが家ノート

 

三菱UFJ信託銀行が2020年にリリースしたスマホ用アプリ「わが家ノート」は、文字通りエンディングノートを作ることができるアプリです。銀行に口座がなくても利用できます。

「わが家ノート」にはエンディングノートに関係したさまざまな機能があり、大きくは以下の3つが備わっています。

  • エンディングノート作成
  • 健康管理
  • 健康活動の見守り・専門家への相談

 

機能の中には、家族へのメッセージをビデオ録画できたり、財産リストをかんたんな流れで作成していけるなどもあります。

また記録した情報は、同アプリをインストールした他の家族へ送信も可能。その送信のタイミングも「今すぐ」「死亡後」「認証診断後」の3つが選べます。

「わが家ノート」はiPhone用・Android用の両方で利用できます。無料で使用できるのでお試しで使ってみて、良さそうであれば継続してみるということもしやすそうです。

2022.08.20

デジタル遺品をクラウドで残す方法(Apple編)

iPhoneを操作する様子

現代ではシニア世代においてもスマートフォン(スマホ)やタブレットを使うことがごく一般的になっています。

複雑な操作は覚えるのが難しくても、スマホで電話をかけたりLINEでやり取りをしたり、写真を撮影したりなど、スマホは日常生活で世代を問わないツールとなっています。

そこで気になるのがいわゆる「デジタル遺品」問題です。

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2022.06.30

エンディングノートに書いておきたい内容3

エンディングノートを書くイメージ

前回の遺品整理コラム「エンディングノートに書いておきたい内容2」では、エンディングノートに書いておくとよい内容のうち、看護や介護に関することについてご紹介しました。

今回は告知や余命宣告に関わる事態に備え、エンディングノートに記載しておくとよい内容についてご紹介します。

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2022.04.26

エンディングノートに書いておきたい内容2(看護・介護に関すること)

エンディングノートを書く高齢者の手元

前回の遺品整理コラム「エンディングノートに書いておきたい内容1」では、エンディングノートに書いておくとよい内容のうち

  • もしものときの連絡先や身分を証明するもの

  • 健康に関する情報

についてご紹介しました。

今回は看護や介護などに関連した内容についてご紹介します。

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2022.02.25

エンディングノートに書いておきたい内容1

エンディングノート

前回の遺品整理コラム「エンディングノートはなぜ作ったほうがいいのか。メリットは?」では、エンディングノートを作るうえでのメリットについて紹介しました。

… 続きを読む

2021.08.30