遺品整理の悪質業者を見分けるポイント7:見積書について、詳細な説明があるか?

前回のコラムでは「遺品整理業における悪質な業者を見分ける10のポイント」の6つ目、「訪問による見積もりが行われるか?電話だけで済まされないか?」について取り上げました。

「遺品整理業における悪質な業者を見分ける10のポイント」とは、週刊ダイヤモンド2020年1月18号に掲載されたもので、遺品整理士認定協会が作成したものです。

  1. 遺品整理業者のホームページはあるか?
  2. 電話応対時の言葉遣いはしっかりしているか?
  3. 廃棄物の処理方法を説明できるか?
  4. 一般廃棄物収集運搬業の許可は下りているか?
  5. 料金体系は明確であり、わかりやすいか?
  6. 訪問による見積もりが行われるか?電話だけで済まされないか?
  7. 見積書について、詳細な説明があるか?
  8. 無料回収、買い取りを強調して値段が安いことを言っていないか?
  9. 万が一のための損害賠償保険に加入しているか?
  10. 領収書の発行は可能か?

 

今回は10のポイントのうち、7の「見積書について、詳細な説明があるか?」について補足します。

遺品整理のトラブルでよくあるのは「作業後に見積もりと違う費用を請求される」こと

作業員が訪問してきて困る主婦

遺品整理の場面で最もよくあるトラブルのひとつが、作業後に見積もりと違う費用を請求されることです。

これは葬祭に関する場面と似たところがあります。亡くなった方に関わることは遺族の精神的な負担が大きく、また迅速に行う必要があるため、受けるサービスに係る費用や見積もり内容について十分なチェックができないまま業者に発注してしまうケースが多く見受けられます。

悪質な業者はこうした遺族の事情につけ込み、見積もり時にはあえて明確な費用を提示せず、作業中や作業後に「見積もりで想定していない作業が発生した」等の理由をつけて、見積もり時よりも金額が多い請求をしてくる場合が跡を絶ちません。

見積もり額が相場より極端に安い場合も注意が必要です。一概に「安かろう悪かろう」とは言えませんが、コストを度外視したような費用で行えるほど遺品整理業務は容易ではありません。

また前回のコラムで書いたように、訪問による見積もりが行われるかどうかも要チェックポイントです。

最近はコロナ禍の影響でオンラインで見積もりが取れるサービスが増えてきました。一見便利ですが、遺品整理に関わる見積もりはやはり現場を直接訪問して必要な作業を洗い出す手間をかけなければ、その場所に適切な見積もりを出すことは困難です。

見積書はトラブルを未然に防ぐために、十分チェックしてほしい大切な書類と言えます。